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スマホも心も充電できる吊り革

スマホも心も充電できる吊り革

ABSTRACT

ある調査によると首都圏のビジネスパーソンの往復平均通勤時間は約107分、電車通勤に対してストレスを感じている人は実に8割を超えており1, 2 、長時間の電車通勤はメンタルヘルスに悪影響を及ぼしている。

そこで我々は、どんなに仕事で疲れていても、電車に揺られ家と会社を往復する毎日を送る、そんな日本の頑張るビジネスパーソンを応援するために「スマホも心も充電できる吊り革」を提案する。スマートフォン(以下、スマホ)を充電することでスマホから離れる時間を作り、自分の心と向き合う時間を提供することで、心を充電する機会を与える。

本施策によって、本来はストレスを感じて楽しくない通勤時間を「心を充電する時間」に変え、ビジネスパーソンのメンタルヘルスの改善を実現する。

AUTHORS

佐々木将也 Masaya Sasaki 製薬会社 臨床開発職
吉田美月 Mizuki Yoshida 東京デザインプレックス研究所 / デジタルコミュニケーションデザイン専攻 卒業生
真喜志依里佳 Erika Makishi 総合病院南生協病院 研修医
鈴木遼 Ryo Suzuki 理学療法士

INTRODUCTION 

電車通勤によるストレス

我が国では、電車通勤者の多くが通勤時間をストレスに感じている。

首都圏のビジネスパーソンを対象とした調査1 によると、電車を利用する人の往復平均通勤時間は約107分となっている。また、通勤電車に関する別のアンケート2 によると、電車通勤をする812人のうち、ストレスを感じることが『よくある』と回答したのが344人(42.4%)、『ときどきある』と回答したのが353人(43.5%)となっており、通勤電車の中でストレスを感じている人が8割を超えている。このことから、電車通勤が現代人に大きなストレスを与えていることが示唆されており、長時間の電車通勤が与えるストレス及びメンタルヘルスへの悪影響は解決されるべき課題であると言える。

ストリートメディカル的解決策

我々は、長時間の電車通勤が及ぼすメンタルヘルスへの悪影響を解決すべく、よりストレスを感じているであろう通勤時間を立って過ごしている人々に注目し、「スマホも心も充電できる吊り革」を提案する。具体的には、吊り革にボックス型スマホ充電器を設置してスマホを充電できるようにする。ボックス型スマホ充電器の蓋を開けると、中には「今日はスマホではなく、あなたの心を見つめて見ませんか?」と利用者に問いかけるメッセージが書かれており、スマホから離れている間、自分の心と向き合うことを促すようになっている。

本施策を提案する背景には、「忙しくて健康を意識する余裕もないビジネスパーソンに、少しでも心と身体を気遣う時間や余裕を持って欲しい」という想いがある。本施策においては、自分の心と向き合う時間を作ることでメンタルヘルスの改善を促すことを目的としているが、その先に、心と身体の健康について少しでも考える意識が芽生えることで、その後の生活にも健康的な良い影響を及ぼすことを期待する。

METHODS

対象者は、長時間の電車通勤でストレスを感じている精神的な面で健康とは言えないビジネスパーソンとした。今回のストリートメディカルでは、そんなビジネスパーソンが電車通勤中に自分の精神状態に向き合えるためのアイデアを提案することとした。

まず、電車内の行動を考えると、圧倒的にスマホを利用する人が多いだろう。そのため、スマホから離れるための方法が必要である。吊り革にスマホが充電できるボックスタイプのスマホスタンドを付けることで、スマホを手から離すことができると考えた。更にボックスの外側には「スマホ充電はじめました」と記載して、スマホ充電ができることを知らせるメッセージを付けることとした。

次に、精神的な面に向き合うための仕組みとして、スマホを収納するボックスの内側にメッセージを記載することとした。「今日はスマホではなく、あなたの心を見つめてみませんか?」というメッセージを載せることで、SNS、動画、ゲームなどから離れて普段気付くことができない自分自身の精神状態に目を向けさせるように仕向けた。

DISCUSSION

今回、電車内の吊り革に注目し、電車通勤にストレスを感じているビジネスパーソンの心の充電を目的に「スマホも心も充電できる吊り革」を提案した。ストレスを感じて楽しくなかった通勤時間に着目して、スマホを充電することでスマホから離れ、心と向き合う時間を作り出すことで、メンタルヘルスの向上に繋がると考える。

今後の展望としては、吊り革のみならず、無機質な電車内の空間を、五感で満たす心の充電車両として提供することを考えている。例えば、車両内を、明るさを抑えた暖色の優しい照明、花の香り、鳥のさえずりの音、そして星空の見える天井、温泉街にいるように錯覚するような壁紙で彩り、吊り革はスマホを充電できるのはもちろんだが、カワウソの手のようにずっと握っていたくなるような温かく柔らかな肌触りに変更する。電車通勤をストレスに感じる人々の「楽しくない」時間を、「心を充電できる時間」に変換することで、より健康的な社会が実現されることを願う。

REFERENCE

  1. 首都圏オフィスワーカーの通勤手段と通勤実態(ザイマックス総研の研究調査)
    https://soken.xymax.co.jp/hatarakikataoffice/data/column061.html
  2. 通勤列車でストレスを感じる人は8割超 - 最も多い理由は…(マイナビニュース)
    https://news.mynavi.jp/article/trainsurvey-16/