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『AMR対策×ボードゲーム』を用いてのエデュテインメント

『AMR対策×ボードゲーム』を用いてのエデュテインメント

ABSTRACT

AMR(Antimicrobial Resistence = 薬剤耐性)とは、抗菌薬の不適切な使用を背景に、抗菌薬が細菌に対して効かなくなることである。AMRによる死亡者数は2017年の70万人から、2050年には1,000万人に上り、がんによる死亡者数を上回ると予想され、国際社会でも大きな課題である。

不適切な抗菌薬の使用の背景には不適切な処方がある。そのため、医療従事者への教育が見直されている一方で、AMRの拡大防止のために国⺠一人一人ができることも多いとされている。個々人がAMRについて知っている状況を作ることができれば、AMR拡大を防ぐことができるため、現在各機関が連携し予防啓発に取り組んでいる。
その一つの手法として、ゲームの楽しさに付随して教育的な効果を得るための『教育(Education)×娯楽(Entertainment)=エデュテインメント(Edutainment)』を意図しての取り組みが効果的と考えた。2050年にAMRの打撃をうけると予想されるものの、対策が十分行き届いていない高インパクト・高リスク集団である若い世代を対象にすることで、次世代への教育も可能となると考え、小・中学校での教育ツールを目的にボードゲームを作成する。イラスト中心の基本のセットから、カードの種類を増やした拡張パックまで、幅広い層が楽しめるようプレイ難易度を調整でき、更なる学習効果を見込めるシステム設計とする。将来的には、最もAMRの拡大が予想される開発途上国における教育活動も視野に展開する。

AUTHORS

山内光 Yamauchi, Hikaru 2019年横浜市立大学医学部入学。現在学部一年生。
鈴木佳奈 Suzuki, Kana ケニアの病院に勤務後、大学院進学。来年度から再度ケニアに赴任予定。