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病院での「多様なすごす」をデザインする ~ホスピタリティ空間・家具

病院での「多様なすごす」をデザインする ~ホスピタリティ空間・家具

ABSTRACT

病院待合はこどもから大人まであらゆる人が利用し、訪れる目的も診察だけでなく様々だ。例えば、小児病棟に入院するきょうだいの見舞いのために家族で来院しても、病院規定により病室に親しか入ることができず、病棟の外のベンチで独り何時間も待つこどもたちがいる。あるいは病状が辛く横になって待ちたい人、経過観察のために訪れる人もいる。利用者視点に立ち、利用者の状況や希望に合わせたすごし方を選択可能にする待合の空間デザインが必要ではないだろうか。

私たちは、待合全体の改装をせずとも空間の在り方を変えられる家具に着目し、“Ceiling・Wall・Seat” 3つのパーツの組合せ方で多様なすごし方を提供するホスピタリティ家具を提案する。例えばプライベート空間を提供する『Personal』、会話空間を提供する『Communication』、参加型コンテンツで楽しい空間を提供する『Active』だ(図)。パーツの組合せ方次第で多様なタイプができるため、待合空間の特性に合わせて導入が可能だ。このように、病院が導入しやすい方法で利用者それぞれが快適にすごせる場をつくることで、来院するすべての人へのホスピタリティを実現する。

AUTHORS

山口 誠二 Yamaguchi, Seiji 株式会社 乃村工藝社【マネジメント】
二ノ宮 由香子 Ninomiya, Yukako 株式会社 乃村工藝社【マネジメント】
阿部 麗実* Abe, Reimi 株式会社 乃村工藝社【企画】
松本 麻里* Matsumoto, Mari 株式会社 乃村工藝社【デザイン・設計】
加藤 悠可 Kato, Haruka 株式会社 乃村工藝社【デザイン・設計】
(*:SMS受講生)
☨本プロジェクトは、YCU-CDCと乃村工藝社の共同で取り組んでいます。